毎日しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない。
寝つきが悪くて睡眠時間が確保できない。
このように睡眠の質が悪いため、朝スッキリ起きることができない人が増えています。
日中頭がボーっとして仕事などに影響が出てお困りの方は、ここで睡眠の質を改善する方法を学んでいきましょう。
目次
睡眠の質を上げる改善方法は?
朝スッキリ目覚めるためには、睡眠リズムを整える必要があります。
レム睡眠やノンレム睡眠という言葉を聞いたことがありますよね?
レム睡眠 | 眠りが浅く脳が覚醒しやすい状態の睡眠 |
ノンレム睡眠 | 熟睡状態の睡眠 |
では、起床時にレム睡眠とノンレム睡眠、どちらの状態がスッキリ目覚めると思いますか?
答えは簡単、眠りの浅いレム睡眠ですね。
しっかり寝ているはずなのに目覚めがスッキリしないという人はノンレム睡眠時に起床している可能性が高いです。
では、「レム睡眠時に起床するにはどうしたらいいか?」について説明します。
人は睡眠に入ると、ノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返しますが、レム睡眠から次のレム睡眠までの間隔は90分と言われています。
つまり、正しい起床のタイミングは入眠から90分間隔でやってくるのです。
例えば22時に入眠する方であれば、4時、5時30分、7時に起床すれば目覚めがスッキリしやすいのです。
一度、自分の起床時間と寝る時間を確認してみてください。
ノンレム睡眠時に起床していることがわかったら、起床時間から逆算して寝る時間を決めていきましょう。
人によって短い睡眠の方がスッキリしたり、長くないとスッキリしないなど個人差がありますので起床時間を試してみるのもいいですね。
寝つきをよくする方法
正しい起床時間がわかっても、布団に入ってから入眠するまでの時間にかかるとレム睡眠の間隔もズレてしまいます。
これは私の睡眠時の眠りの深さを表したある日のグラフです。
レム睡眠時に起床する予定だったのですが、寝つきが悪いため少しズレていることがわかります。
せっかく目覚めのいい時間を計算できても入眠時間が遅れては元も子もないですよね。
ここで、寝つきをよくするための4つの習慣を確認しましょう。
体温調整
人間の体は、体温が低下する時に眠気を感じるのです。
ですので、寝つきをよくするためには就寝時に体温が低下していることが重要です。
しかし、室温を下げたり冷たい物を飲むなど平温を低下させるという訳ではなく、体温を上げて平温に戻すというやり方を行います。
具体的には、お風呂を就寝時間の2時間前に入ります。
寝る時間が22時であれば2時間前の20時にお風呂に入り体温を上げるのです。
こうすることで、お風呂上りに上昇した体温が寝る時間までに下がることで眠気を感じやすくなります。
寝る前にお風呂に入ってしまうと、体温が下がるまで眠気を感じなく入眠しにくくなるのです。
光の調整
寝つきをよくするためには、メラトニンという物質をコントロールすることも大切です。
このメラトニンは、体内で製造・分泌されるものであり、分泌量が多いと眠りやすくなり、分泌量が少ないと眠りにくくなります。
このため、夜間にメラトニンの分泌量を多くすることが寝つきをよくするために重要なのです。
メラトニンは起床してから14~16時間後に分泌を始めます。
7時に起床したら、21~23時の間に分泌が始まるということですね。
起床時間がバラバラになるとメラトニンの分泌時間もバラバラになり、寝つきが悪くなります。
このため、寝る時間と起床時間を一定にすることが寝つきをよくするための基本です。
また、メラトニンは光を浴びることで分泌を抑制することができます。
朝起きたらカーテンを開け日光を浴びると、スッキリ目が覚める感覚を味わうことができますよ。
逆に、就寝2時間前には部屋の明かりを暗くすることでメラトニンの分泌を促進させることができます。
間接照明などを利用して、なるべく部屋を明るすぎないように調整しましょう。
昼寝
仕事の休憩時間を利用して昼寝をする方も多いのではないでしょうか。
正しい昼寝を行うことは、脳の活性化や集中力の回復などに効果的ですので悪いことではありません。
ただし、夜の睡眠時に寝つきが悪くなる昼寝があります。
それは、睡眠時間が30分以上の昼寝です。
30分以上の昼寝はノンレム睡眠に陥りやすく睡眠リズムが崩れてしまう危険性があります。
また、就寝前2~3時間に仮眠を取ってしまうことも寝つきが悪くなる原因ですので避けましょう。
運動
寝つきが悪くなる原因として、精神の不安定も考えられます。
心配事や不安な事がある時に「布団に入ってからもその事を考えて眠れない」という経験を誰もがしていることかと思います。
うつ病を発症した人の多くが睡眠障害に悩まされていることもあり、睡眠と心の状態とは深く関係しているのです。
私自身、不安うつ状態と医師に診断され2ヵ月ほど仕事を休んだ時期がありました。
その時の寝つきは最悪で、23時に布団に入ってから入眠まで3~4時間かかることが多かったです。
睡眠障害を医師に相談した際に勧められたのが運動でした。
そこで、休職中に週3日スポーツジムに通うことを始め、ランニングだけでなく筋トレや水泳など様々な方法で体を動かしました。
その結果、寝つきがよくなり、またうつ状態も改善したのです。
あれから2年経過した今でもスポーツジムに通っており、以前よりも元気に仕事を行えています。
感情というのは運動をすることで安定します。
毎日運動は難しいですが、週に2日程度の運動から始めてはどうでしょうか?
睡眠の質を上げるには食事が重要?
睡眠の質を上げるために食事を考えることは大切です。
食べ物の消化活動は、皆さんが思っている以上にエネルギーが使われています。
そのため、就寝前の食事は内臓の働きを活性化させるため寝つきを悪くする原因になります。
就寝2時間前には食事を終わらせることを心がけましょう。
また、就寝前にホットミルクを飲むと寝つきがよいと言われています。
これは牛乳に含まれるトリプトファンという成分が睡眠の向上に効果的とされているからです。
そのメカニズムを紹介していきます。
まず、トリプトファンが体内に取り込まれることでセロトニンが合成されます。
このセロトニンは精神安定に効果的な物質であり、また先ほど紹介したメラトニンの材料にもなります。
つまり、トリプトファンを摂取することでメラトニンの分泌量が増えるのです。
特に高齢の方はメラトニンの量が加齢とともに少なくなりますので、トリプトファンの摂取は睡眠向上に効果的です。
しかし、トリプトファンは体内で製造することはできませんので、口から摂取する必要があります。
トリプトファンは、牛乳など乳製品意外にも魚や穀物などにも含まれています。
また、手軽に摂取したい場合はサプリで補給する方法もあります。
寝つきが悪かったり、深夜なんども目が覚めてしまう方は試してみてはどうでしょうか?
睡眠の質を上げるために寝る前にやってはいけないことは?
寝つきが悪い人が増えている原因の一つとして、インターネットやスマートフォンの普及が考えられます。
寝つきをよくするためにはメラトニンの分泌を促進させることが大切だということは先ほど学びましたね。
また、光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されることも確認しました。
このことからわかるように、パソコンやスマホの操作により画面の光を浴びることでメラトニンが抑制されてしまうのです。
まさに現代病の一つですね。
しかし、いきなりパソコンやスマホの操作をするなというのは難しい話です。
できれば就寝2時間前には操作を終わらせたいところですが、まずは1時間前から始めてみましょう。
まとめ
睡眠の質を高めるためには、睡眠リズムを考えることや寝つきをよくすることが大切です。
ここで紹介した方法でうまくいかない時は、何かしらの病気や精神疾患の可能性もありますので、その場合は早めに医師に相談しましょう。